2006年10月04日

学期が始まって「フシラト・ホッタ!」(計画は失敗した!)

 後期が始まって二週間がたった。後期になって驚いたのは、私が教える教養科目の「現代の日本」の受講者が、前期の「現代の世界」の約280人から、約390人に増えたことだ。学生が世界より日本に興味があるのは分かるが、それだけが増加の原因ではないであろう。私の点のつけ方が甘いのがうわさで広まったに違いない。私の授業は、出席とレポートだけで点をつける。出席も代返かどうかは、確認していなかったので(確認もできない)、多くの学生が出席点だけで約30点から40点だった。二回のレポートは、提出すればそれぞれ最低15点はあげることにしていたので、皆勤とレポート提出さえすれば、最低65点から70点はもらえるのだ。さすがに15点にしたレポートはほとんどなかったので、Aが続出、90点以上のTもかなりの数に上った。

 更に付け加えれば、前期の授業では、質問点というのを作って、質問者には、点の水増しを行なった。これがTを取った学生の増加につながった。
 私は、前期の成績をつけながら、実は反省していた。まず第一に280人が書いた二回のレポートを見るのは大変である。何日もかかってみて成績表提出ぎりぎりまでかかってしまった。後期はこれを一回にしようと決めた。第二に、学校が用意した出席票による出欠確認は、代返の可能性があるし、授業中出たり入ったりしていた学生も多々見かけたので、遅刻・授業のスキップも行なわれていた。まじめに出席している一枚の紙切れで、まじめに出席・聴講している学生と同じ扱いでは、不公平である。そこで、私の授業用のA4版の大きさの出席票を自前でつくり、授業の最後の15分で、授業の感想と質問を書いてもらうことにした。そうすれば、そんなことしたくない学生は自然と淘汰され、出席者も、ついてはレポートの数も減るであろう。と考えた。
 ところが、そもそも人数が100人以上増えた。更に、不思議なことに、出席票に感想と質問を書きなさい、と言ったら、本当に書いてくるのだ。書かれた以上約350枚の感想と質問を読まねばならない。省力化のつもりが労働強化になってしまった。今や毎回授業が終わると4時間半かけて出席票を読み、出席簿に書き込むという作業を続けている。
 更に始末が悪いことに、この感想と質問が意外と読ませたり、考えさせたりする、ということだ。350枚のうち250枚に質問が書いてあって、それも無視できない。私は、質問は、調べ、考えるという学問を行なう上でのきっかけ、と考えており、春からずっと学生に奨励し、授業中ほとんど質問が出ないので前期の途中からは、出席票の裏に書いてもらうことにした。それでもせいぜい一回の授業で10-15問程度であったので、文書で質問に回答していた。しかし、250問もあるとそれは実質的に不可能である。そこで、次の授業の冒頭に代表的な質問5問ほどに回答することにしたが、それでは、本筋からは、外れているけれど、光る質問や口頭で質問するには恥ずかしいと彼らが感じる基礎的な質問には答えられない。この「サラサラ草紙」で答えるときもくるであろう。
 労働強化でつらくはあるが、学生の反応がこれだけあると、やめられない。何とか、学生とのキャッチボールを学期末までやって行きたいものだ。でも、次の授業では、「無理して感想は書かなくて良いよ」と言おう。「フシタト・ホッタ!」(計画は失敗した!)

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