2007年11月05日
白秋祭
昨日11月3日、白秋祭に行った。白秋祭は、11月1日の北原白秋命日から3日間続けて行われる。中学・高校の同級生が、最近地元柳川に帰って家業の観光会社を継承して頑張っている。その同級生が川下りの舟を用意し、私を含む同級生を招待してくれた。
同級生の気安さもあって舟の中は、出発前から昔話と学校卒業後の各自の冒険話を肴にした酒盛りで盛り上がった。しかし、舟が岸を離れ、漕ぎ出すとその盛り上がりの内容と大きさが大きく変わった。120隻の舟が順次川下りへと漕ぎ出していくのだが、舟と堀端に据え付けられた提灯の灯り、お堀の途中途中に用意されたステージでの合唱、和太鼓、お琴、雅楽などの実演、お堀にかかる橋やお堀端に住む住人、更にはお堀に出てきた柳川市民が、我々の乗った舟を一隻一隻歓迎するのだ。舟に乗っている我々からすれば、ディズニーランドのIt's a small world!体験である。いやディズニーよりも更に上を行っている。ある橋をくぐろうとしたら、その橋の上からするすると花火の束が下され、舟の上で花火を楽しめというのだ。
この歓迎は私たちを童心に帰らせた。私の妻などは、3本も4本も火をつけて花火を楽しんでいる。舟の中には、花火に火をつけるろうそくの入った缶まで用意されていた。よく見ると、お堀端で舟が進んでいくのを見ている住人や市民たちの中にも花火を楽しんでいる人たちが大勢いる。花火をしながら、歌を聞き、各種楽器の演奏を聞きながら、拍手をしたり、声を掛け合ったりしながら、私たちは、住人や市民たちとの交流をしていた。
120隻の舟中の乗客はほぼ観光客だ。観光客は明るく輝くお堀端や市民や住民の歓迎パフォーマンスを見ているのだが、市民も舟に乗っている観光客を見ている。舟が進むにつれどっちが観光客なのかわからなくという趣向だ。市民は市民で、歌ったり、踊ったり、演奏したり、舟中の観光客と交歓をして楽しんでいるのだ。見ているだけのディズニーランドのパレードやオランダの花パレードとも違う。
午後8時半、出発してから2時間半後、簡保の宿と「お花」との間にある少し広いお堀に舟が止まった。そこで打ち上げ花火を見る。花火は筑後川でも墨田川でもオランダ・スケベニンゲンの浜でもデュッセルドルフの街中でも見てきたが、こんなに近くで見たのは初めてだ。高く上がった花火は我々の頭上を覆った。自分がこの時空間の中に溶けていくようだ。昼間バザーで立ちっぱなしで働きくたびれ果てたと言っていた妻の顔にも生気が戻った。
この白秋祭の趣向は、世界のどこにもないものだ。少なくとも見たことがない。観光客が部外者や傍観者でなく、祭りの一部と化している。これは世界のどこから来ても楽しめる。たとえ白秋が誰が知らなくても。その意味で世界レベルの祭りではないか?
- by Miyahara
- at 00:44
comments