2007年11月09日
トルコ短歌草子
ずいぶん前の話になったが、トルコ旅行に際して、学生の1人と短歌創作競争を行ない、「トルコ短歌草子」としてまとめた。その一部は次のようなものである。
「エフェソス遺跡を訪ね、世界各国からの観光客に出会って詠める。
エフェソスで西洋の民ポーズィング我恥じ入るはジャパニーズ(恵)
念願のエフェソス遺跡を訪ね慫慂し詠める。
トラヤヌス、ハドリアヌスの神殿に我踏み入れるヨハネは何処(信孝)。
考古学博物館にて、アレクサンダー大王の事跡を描いた彫刻のある石棺を見て詠める。
フェニキアの栄華を刻み伝えしは王の名誉とはかない命(恵)
東西の文明逢わせしイスケンデル今も輝く匠の技に(信孝)」
今読み返すと技術や能力はともかくとして、そのときの感動がよみがえってくる。以下に「トルコ短歌草子」全文を掲載する。
トルコ短歌草子
9月15日
小アジア半島から昇る朝日をホテル9階のカフェテリアから見て詠める。
アジアから昇る朝陽を眺めつつイスタンブールでブレックファースト(恵)
更にチェシメに至り。ギリシャ・キオス島に沈む夕日を見つつ詠める。
朝アジア夕はギリシャ股にかく見たかこれこそトルコの太陽(信孝)
9月16日
エフェソス遺跡を訪ね、世界各国からの観光客に出会って詠める。
エフェソスで西洋の民ポーズィング我恥じ入るはジャパニーズ(恵)
念願のエフェソス遺跡を訪ね慫慂し詠める。
トラヤヌス、ハドリアヌスの神殿に我踏み入れるヨハネは何処。
トラヤヌス、ハドリアヌスの神殿にパウロは知らず我は駆け入る
エフェソスの遺跡輝く山影で聖母マリアに心静かに(信孝)
9月17日
エーゲ海岸ハリサジャラールで水遊びをして詠める。
エーゲ海きらめく波に身を任せ思いにふける日本のあの子
エーゲ海きらめく波を眺めつつ思いにふけるは課題の短歌(恵)
ハリサジャールの海岸にて遊んだ際、車のキーを海水に浸したため、車立ち往生となって、詠める。
輝けるエーゲの海の一滴(ひとしずく)車動かず夕日を見たり(信孝)
9月18日
多くの神殿を築き繁栄を祈ったギリシャ・ローマの民を思って読める。
青空に映えわたるのはアクロポル民の思いを今に伝える(恵)
ペルガモン・アクロポリス(トルコ語でアクロポル)の高き丘に登り眼下に広がるトルコの街を見つつ歴史を思い詠める。
ペルガモのアクロポリスが聳え立つ遥か眼下に赤屋根の街
聳え立つアクロポリスが見渡すは異教の民の赤屋根の街(信孝)
アスクレピオンの聖水とされる泉の水で犬の糞を靴から洗い流す同朋を見て詠める。
死はこの門はいるべからず アスクレピオン邪なるは、はいるべからず
「死はこの門はいるべからす(*)」はいる勿れ邪なる者(信孝)
(*)アスクレピオンでは医者が診て治癒の見込みのないものは入場できなかった。
9月19日
チェシメの海岸で穏やかな海と空とが交わるのを見て詠める。
穏やかにスカイブルーに寄せる波我の思いは飛沫(しぶき)をあげる(恵)
昨日までと打って変わって風が弱まり、木陰で猫が昼寝しているのを見て詠める。
眠り猫チェシメの木陰昨日まで冷たき風も吐息さわやか(信孝)
我が住むチェシメの岸まで光の道をつくりながら、対岸ギリシャ・キオス島へと沈む半月の様子を眺めつつ詠める。
輝ける光の橋を掛け渡しキオスに沈む柿色の月(信孝)
月明かりトルコの明日を導くはギリシャへ続く一筋の道(恵)
9月20日
イスタンブールの街を歩き忙しく立ち働く人々を見て詠める。
古(いにしえ)の神が運びし夢希望我にも届くイスタンブール(恵)
数年ぶりにイスタンブールで会った二人の旧同業者とアラク片手に歓談しつつ詠める。
東西の文化交わる帝都にてアラク片手に旧交温む(信孝)
9月21日
金曜日ブルーモスクを見学し詠める。
ブルーモスク人々集いて何願う我の心は神のみぞ知る(恵)
クルアーンの朗誦冴えて静かなるブルーモスクの厳かなる間(信孝)
トプカピ宮殿へと向かう道で7,8人ほどのトルコ人の子供が二人の女学生を取り囲み肩に手をかけるなどの無法の態度に出たのを追い払って詠める。
ハーレムは禁断の場所ハラム(=禁断、禁忌)の地ハラーミー(規範破壊者)は決して入れるな(信孝)
考古学博物館にて、アレクサンダー大王の事跡を描いた彫刻のある石棺を見て詠める。
フェニキアの栄華を刻み伝えしは王の名誉とはかない命(恵)
東西の文明逢わせしイスケンデル今も輝く匠の技に(信孝)
アヤソフィア内にローマ皇帝の壁画もイスラム預言者モハメドの名も共存しているのを見て詠める。
アヤソフィア テオドシウスも モハメドも 共々生きて歴史を刻む(信孝)
トプカプ宮殿海岸庭園カフェ・コンヤルからボスポラス海峡・対岸のアジアを見て詠める。
スルタンの眺めし海を我も見る思いは駆けてアジアを巡らん(信孝)
- by Miyahara
- at 16:17
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